2021/07/09 20:10

2020年1月。そのころはまだ、新型コロナの感染者が、客船と国内にちらほら居るくらいで、今では当たり前のようにある店先の消毒用のアルコールはまだありませんでした。1月で冬ということもあり、白いマスクをしている方が普通に見られましたし、私自身インフルエンザ予防の延長くらいの考えでした。

新年の挨拶に大阪へ新幹線で向かう最中に,開発のヒントがありました。
SARSコロナウイルスのように、当時まだ名もなき新型コロナウイルスは、知らない間に収束するのではないかと新幹線の座席に座ってスマホでニュースを見ていました。感染防止対策として家にある最小の消毒スプレー(50ml)をカバンの取りやすいところにしまい、準備万端にして向かったはず‥‥でした。ニュースを見た後に、今回のウイルスは感染力が強いと知った私の頭は、もし手にウイルスが付いていたら‥‥と思った後、鞄を開ける、その中に手を入れて消毒スプレーを取り出すということが出来ませんでした。取りやすいところにあると思ってたのに消毒液を取り出せない‥‥そういっても鞄の中からものを取り出すのは仕方がないこと。先ずは、消毒液を取り出して手を消毒。触ったところも消毒。そういえば、スマホはスーツのポケットからどう取り出したのだ!?そもそもこの消毒液は、アルコールって成分表に書いてないけど、効くのか? 直接人体に使うと害があるみたいに書いてあるけど大丈夫なのか? 危険と考えるだけでこんなにも考えたことに衝撃を受けました。潔癖症なのは、認めます。ただ、感染するしないは、その上をいった考えを持たないといけないのではないかとも考えました。
私は、以前アトマイザーを作る会社に勤めていた頃のことを思い出しました。20年以上前にアトマイザーにアルコールを入れて電車の手すりを触った後に消毒していたことを。当時、クリップを付ける発想は、もちろんありませんでした。それどころか周りを見ても消毒している人さえいない時代?でした。
野口工芸は、請け負う仕事のみの会社なので、自社製品はありません。そのため誰に話すこともなく同年の4月になりました。新型コロナウイルスの収束が見えなくなってきたころです。
扱っている主力の化粧品が売れなくなりはじめ、営業に行きたくても行けない。のに営業をしなくてはならない?に対する考えが、携帯アルコールスプレーの開発に繋がりました。開発部なんて部署はありませんので、今までの業務と並行しながら一人で開発をすることになりました。販売まで1年以上掛かるとは知らずにです。
コロナ禍で企画開発者がしたことは、先ず感染を止めることを第一に考える。
アトマイザーにクリップを付けて、コンパクトでありながら容量を確保する設計にすること。携帯性が悪かったら邪魔になり、買って頂いても使わなくなる。
色については、染料があれば再現出来るから色んな人が持ち歩きたくなる、今で言う推し色を作ること。自分の色が見つかると同時に質感の違いも選択肢にあれば、今までにないものになる。2020年の4月から開発を始めて、1年以上の年月が掛かりましたが完成しました。
最後に
個人での予防で、こまめに消毒することが、ウイルスの移動、増殖を助けないことになり、いずれウイルスの減少にも繋がるのではないか。このお想い、考えが皆様に伝わり、一緒にコロナウイルス退治したい。ウイルスを減らして収束に向かわせるといった考えに賛同して頂けたら幸いです。店先のアルコールスプレーで除菌すれば、この商品は要らないと思います。この商品の狙いは、消毒液が無い所にいたときに、無いからと言って消毒しない をさせないことです。